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親知らず抜歯体験
2005年4月に、アメリカで親知らずを抜きました。アメリカでは日本と違って、一般の歯医者ではなく口腔外科で抜歯の手術をすることが多く、基本的に全身麻酔で抜歯します。そんなことを知っていたので、最初は「全身麻酔なんて、やだぁ〜」なんて思っていたんですけど、虫歯になっていたため仕方なく抜歯に同意しました。そんな抜歯の体験記です。

注:かなり、長いです


薬ともらったガーゼ。下に見える書類が、手術後の注意が書いてあるもの。
歯医者さんで、チェックアップ
治療費のとっても高い、アメリカの歯医者さん。保険会社が負担する金額も相当な物らしい。だから多くの保険会社が、半年に一度のチェックアップとクリーニングを、かなり高い割合で保険会社負担にしている。そうすると、大半の人は安く済むので、半年に一度は歯医者さんに行く。で、虫歯になる人が減って、保険会社の負担も少なくなる...ということらしい。

以前NYに住んでいたときに、日本で治療したかぶせていた歯がとれまちゃいました。そして、歯医者さんへ...。この時は日本人の女医さん♪だから、都会って便利!
...で、診察の結果....神経を抜いたはずの歯だったのですが、そのやり方があまりにもずさんだったらしい!「どこで、こんな治療したの〜」といわれた。かぶせていた歯も、保険がきかず6万円くらい払ったのに、「そんなに高級なものじゃないねぇ〜。ぼったくられたねぇ〜!!」と言われてしまった....。結局最初から、神経治療のやり直し!他にも数本虫歯があり、直してもらうことに。でも、そこまでで、保険会社が一年にカバーしてくれる金額を超えてしまった!!親知らずに虫歯があるとは言われていたんだけど、「保険無しで抜いても良いけど、そこまで虫歯は進行してない。きちんと歯磨きをして、他の歯にうつさないように。年が変わったら抜きましょう。」と言われていた。でも、私はその後すぐにシャーロットにお引っ越し....。このことは覚えてはいたけれど、「まぁ、大丈夫でしょう」とたかをくくっていたのでした。

それから、一年半後....。「やっぱりきちんとチェックアップとクリーニングを受けよう!」と旦那と意見がまとまり、歯医者さんへ。アメリカ人の歯医者さんは初めてだったので、ちょっと緊張。でも、難なく診察は進みました。結果は予想通り!「右側上下の親知らずが虫歯。上の方は手前の歯も虫歯になってるねぇ」だそうだ...。当然抜くこととして話は進むのだが、私の発した質問は「抜かなきゃダメですか???」。ちょっと笑われたけど、「残しておいても良いよ」って先生が言う。「でも、どんなに注意していても虫歯になりやすいし、現にいま虫歯になっているんだから、残しておく意味はないよ」と...。でも、その時は決心できず、次のクリーニングの日までにどうするか決めてくるということで、歯医者さんを後にしました。

いろんな事情で、クリーニングは二ヶ月後。その間に、アメリカで抜歯した人の体験談をネットで集めまくる。そうしたら、ちょっと「全身麻酔」も安心してきた。全身麻酔と言っても、軽いもので、浅く30分くらい眠らせるものらしい。そして、なぜ全身麻酔にするかというと、その方が患者のためにもいいそうなのだ。部分麻酔だと、患部は痛くないけれど、目が覚めているので力が入ってしまう。そのせいで、出血が多くなったりするらしい。それに実際「見ている」ということで、体が反応し、抜歯後に腫れたりするのだそうだ。全身麻酔の方が、手術後の回復も早いらしい。まぁ、「麻酔先進国アメリカ」だからできることらしいけどね。

日本の友達でも、アメリカ留学時代に全身麻酔で親知らずを抜いた人がいた。曰く「また抜かなきゃいけないんだけど、日本で全身麻酔をしてくれるところがない。歯医者さんにきくたびに”は??”と失笑される」のだそうだ。この体験談が、一番安心させてくれた。

で、クリーニングの日。先生には会えず一波乱あったものの、歯科衛生士のお姉さんに口腔外科の連絡先を聞き、紹介状(...といっても、簡単な物)を書いてもらう。家に帰って早速予約。一週間後ぐらいに予約が取れてしまって、ちょっとびびる。でも、もう仕方がない!と腹をくくると、「全身麻酔ってどんな感じだろう??」とちょっとわくわくしてきた。

口腔外科へ
予約の時も、病院に行ったときも何度も聞かれたのが「4本抜くのよね??」ってこと。私は日本で、左側の2本を抜歯しているので「いやいや、2本だよ」って何度も言うんだけれど、人が変わるたびに「4本じゃないの??」と聞かれた。アメリカでは、きっと4本いっぺんに抜く人が多いんだろうなぁ、と感じました。

病院へ…
私の手術の予約は、朝の10時半でした。前の日の、夜12時からは何も食べてはいけないと言われました。日本にいるときに、胃カメラを飲んだことがあったので「あー、それやったことあるぅー。楽勝!」と思っていたのですが大間違い。胃カメラの時は朝早かったので、「起きたらすぐ」病院に行ったのです。でも、今回は起きてから、ゆっくりする時間がある。しかも私は本来「朝ご飯を食べないと、一日が始まらない女」。水も飲めなくて、辛かったです。「手術終わったら、ハンバーガー食べるぅ〜」と旦那に訴えながら家を出ました。

病院着…
全身麻酔なので、責任のもてる大人が同行しなくてはなりません。手術の間、病院からその人は出てはいけないと言われていました。帰りも自分で運転できないし、旦那についていってもらいました。
病院に着いたら、いろんな問診票を書きます。自分の病歴、今かかっている病気、飲んでいる薬...等々。全身麻酔についての、インフォームドコンセントの紙ももらい、旦那と一緒に読んでサインしました。で、しばらくすると別室に呼ばれ、看護婦さんに口頭でもう一度大切な事を確認されます。やっぱり、大事なことは何度も確認するんですね。で、手術後の注意の紙をもらい、また旦那とそれを読みながら待ちました。

手術料も先に払います。基本的に保険でカバーされるはずですが、保険会社から支払われるまでのデポジットです。保険が支払われたら、その分は返金されるそう。

手術室へ…
準備ができたというので、手術室へ。...といっても、普通の歯医者さんの部屋とそんなに変わりません。ちょっと広くて、寒かったくらい。手術室は、雑菌の繁殖をおさえるために涼しくしてある、と聞いたことがあります。看護婦さんが「寒くない?」と聞いてくれたので「ちょっと」と答えると、毛布を掛けてくれました。その後血圧を測り、心電図を取るためのクリップのような物を、指につけれれました。

で、お医者さん登場!!自己紹介して、握手をして(アメリカですねぇ)手術開始。最初に、また大切なことを確認されました。どの歯を抜くのか(ここでも「左の2本は??」と聞かれました(^.^) )。全身麻酔についての質問はあるか。手術中は、誰が待っていてくれるのか...等々。これだけきちんと何度も確認してくれると、ミスがないので安心ですね。

口を開けやすくするために、ちょっと顎を上に向けられているので、手元は何も見えません。それがわかっている先生は、自分のしようとしていることを口で説明してくれます。「はい、今からゴムバンドをきつく手に巻きますよー」「消毒するので、冷たくなりますよー」等々。で、「はい、針を刺しますよー。これがこの手術で、一番大変なパートだから!!」と笑わせてくれます。で、麻酔が効くまで、普通の会話をしてくれます。下がその会話。

Dr.「この辺に住んでるの?」
Emma「そうです。隣の市ですけど」
D「住み始めてどれくらいなの?」
E「2年ちょっとですねー」
D「ちょっとずつ、クラクラしてきたでしょ?でも、それが普通だからね」
E「はい」
D「出身はどこ?」
E「日本です」
D「そう、アメリカにはどれくらい住んでるの?」
E「4年かな」
D「でも、英語上手だねー。どれくらい英語を勉強してるの?」
E「日本では中学からやるので、あーー、もう20年くらいですねー」

ここで、記憶がとぎれてます。ホント、「あー眠くなってきたな」とか、そういうのも全くなく、ぷっつりと記憶がないんです!まさに「落ちた」って感じですね。先生が「クラクラしてきたでしょ?」って言ってたときは、ちょっと暖かくなってフワフワした感じだったのですが、それ以外の感覚は記憶にないんです....すげーーー、全身麻酔。麻酔をかけているのに、どういう風に口を開くのか知りたかったのですが、全くわかんないです...ちょっと悔しい。あと、私は普段コンタクトをしているのですが、何かあるとイヤなので、メガネで行きました。そのメガネも、手術中はずされたのか、はずされなかったのかわかりません....気になるところです。(ちなみに、気がついたときにはメガネをしていました)

回復室で…
気がつくと、回復室のベッドの上で寝ている私。旦那が入ってきて目が覚めました(実は、いつ目が覚めたのか定かではなく、これは旦那に聞いた話)。眠っているのに、結構きつめにガーゼを噛んでいる私。どうやってこのベッドに移ったのかも、全く記憶がないし。とにかく「20年くらいですねー」と言葉を発した次の瞬間が、この場面だった。

で、旦那が処方箋をもらったり、注意事項を確認してくれたりしていました。旦那が「次はいつ来ればいいの?」と聞いたところ「縫ってないから、何もなければ来なくて平気よ」の返事。おぉ〜、良いのか?それで???日本では、次の日とかに消毒に行ったような気が....。まぁ、いいか。10分くらいぼーーっとして、帰ることに。車までは看護婦さんが手を貸してくれます。ぼーっとしているから補助をしてくれているのはもちろんだけど、本当に自分で運転して帰らないかどうかも、確認してるんだろうな、きっと。親切に、シートベルトまでかけてくれました。

手術後
薬をもらう
まずは、処方箋の薬を買いにドラッグストアへ。私はまだふらふらするので、旦那が買いに行ってくれました。処方箋の薬を買うのは、旦那にとって初めての体験!アメリカ暮らしも長くなってきた旦那は、最近ではなかなか「アメリカでの初体験」がありません。「はじめてのおつかいみたい...」とこぼしておりました。処方されたのは下の二つ。

Penicillin/ペニシリン:感染症予防の薬
Oxycodone/オキシコドン:鎮痛剤(調べたら、かなり強い鎮痛剤みたいです)

病院では、患部から血が出たときのためにガーゼをもらいました。

手術後の食べ物
なぜか手術後の注意書きに「手術が終わったらすぐに、ミルクシェイクを飲むように」と書かれていました。「ミルクが飲めない人は、スープでも可」と...。なぜにミルクシェイクかわからないのですが、指示通りに旦那に買ってきてもらい飲みました。

「手術後にハンバーガー!!」と野望を燃やしていた私ですが、手術後5日間くらいは、柔らかいものしか食べちゃいけないそう....。食べられるものは、マッシュポテト、マカロニチーズ、オートミール、ヨーグルト、バナナ....など。しかも、室温以上の物は食べちゃいけないそう。がっかり....。まぁ、口の麻酔もまだかなり効いているので、KFCでマッシュポテトとマカロニチーズを買ってもらいました。目の前で、チキンを食べる旦那が、羨ましかった....。

そして、なぜか口に入れてはいけないのが、Citric Acid(クエン酸)。なんか、ペニシリンを飲んでいる間は、クエン酸をとってはいけないらしいです。柑橘系の果物も。「口にしてはいけない物」の欄に、オレンジ、グレープフルーツ、トマトなどに加えて、7-UP、マウンテン・デューなどが書いてあったのが、ちょっと笑えました。でも、Citric Acidって結構いろんな物に入っていて、旦那が買ってきてくれた「ストロベリーシェイク」のなかにも、入っていました。チキンヌードルスープを作って食べようと思いましたが、チキンコンソメの中にも入っていました。気を付けなきゃですね。

先生からの電話
夜9時半頃に電話が鳴りました。誰かと思えば、手術をしてくれた先生!「具合はどうか。血は出ていないか。腫れていないか。鎮痛剤は効いているか」などを確認してくれました。ちゃんと、こんな風に確認してくれると、やっぱり安心します。全く問題ないことを告げました。「問題があったら、電話するように」と言われました。

体の調子
人によっては、全身麻酔の副作用で具合が悪くなったりする人もいるらしいです。でも、私は全く問題なし。頬の腫れも全くない。鎮痛剤もよく効いていて、痛みも全くないし血も出ない。点滴のあとも、痛くならない。ホント、問題なしです。

家に帰ってからは、まだちょっとふらふらしていたので、3時間くらい昼寝をしました。その後、起き出して旦那のご飯を作るくらい復活。まだちょっとふらふらしていましたが、特に問題なかったです。口の麻酔も夜にはきれて、口がすっきりしました。全身麻酔の方もきれ、ふらふらふわふわする感覚が無くなりました。帰ってきた旦那に「ホントに今日手術したとは、思えないね」って言われた位です。

鎮痛剤は、4時間おきに飲むように言われていたので、夜寝ている間にきれて痛くて目が覚めるかとも思ったのですが、これも問題なし。痛くはなりませんでした。もちろん、腫れもしませんでした。

感想
最初は「全身麻酔で抜歯」なんて、とても怖かったのですが、終わってみての感想は「アメリカで抜いて良かった」です。

日本でも親知らずの抜歯の経験があるのですが、その時は大変だったのを覚えています。麻酔は効いているものの、歯が抜ける「ミシッッ、ミシッッッ」って音が、頭に響き渡るし。なかなか抜けなかった(たぶん、割れちゃったんだと思う)ので、なんだかもう一人の先生の頭を押さえつけられ、抜かれた記憶があります。すごい顔した先生が、ペンチみたいな物をもって、口の中をうりゃうりゃやっているのを見るのは、精神的にも苦痛でした。しかも、抜いた後は頬が腫れて、最悪でした。しかも、一回につき1本しか抜けない....。

その時の思い出に比べたら、今回は本当に楽でした。痛み止めを飲むと、ちょっとクラクラするので車の運転はしていませんが、不便なことはそれくらいです。全身麻酔には、副作用もあるので一概には言えないのでしょうが、私はどちらかと言えば、アメリカで親知らずを抜いた方が楽だと思います。まぁ、4本同時に抜いたら、食べられるものが減るので、もっと大変なんでしょうけどね....。

(手術1日後:4/7/05記)

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